以前にも同じようなことを書きましたが、入院中の患者に対する栄養スクリーニングについてです。
担当の病棟の全患者を毎日細かくチェック出来ればいいのですが、栄養指導や休職業務、雑務もいろいろあるのでそればかりやっているわけにもいきません。
可能な限り簡便に、そして評価する栄養士によって差が出ないようにするには採血データから機械的にスクリーニングしていくのがベストだろう…という話を同僚としておりました。
そこで、では何を指標とするかですが、今考えているのが下記の3つ。
1.プレアルブミン
2.CONUT(Controlling Nutritional Status)
2003年のESPEN(欧州静脈経腸栄養学会)でスペインのゴンザレスらが発表した栄養評価法。一般的に測定されている検査項目であるアルブミン(ALB)、末梢血リンパ球数(TLC)、総コレステロール(T-cho)値をスコア化し、3つのスコアを積算して求めたCONUT値を栄養評価の指標として用いるもの。
蛋白代謝、免疫能、脂質代謝という3つの指標を反映したもので、栄養レベルは4段階に評価される。
[スコア基準(カッコ内)]
血清アルブミン値(Alb)
:≧3.50(0)、3.00-3.49(2)、2.50-2.99(4)、<2.50(6)
総リンパ球数(Total lymphocyte count :TLC)
:≧1600(0)、1200-1599(1)、800-1199(2)、<800(3)
血清総コレステロール(T-Cho)
:≧180(0)、140-179(1)、100-139(2)、<100(3)
[栄養不良レベル]
(Albスコア)+(TLCスコア)+(T-Choスコア)
:0-1(正常)、2-4(軽度)、5-8(中等度)、>8(高度)
3.PNI(Prognostic Nutritional Index)
予後推定栄養指数ともよばれる。
主に外科手術患者において術後合併症の発症を予測するため複数の指標を組合わせて算出する指数.
[切除・吻合禁忌]
10×Alb+0.005×TLC
:≦40
プレアルブミンは基準値以下、CONUTは中等度・高度栄養不良、PNIは40以下のいずれかに該当した時点でNST依頼をかける、とういう基準を設ければいいだろうか。
まぁ栄養士なので、現在の必要栄養量の充足率あたり…例えば8割以下とかも追加してもいいかもしれない。
どれを使用するにしても定期的な採血測定が必要になることには違いないので、周知は必要そう。
やるなら病院全体を巻き込んでいい仕組みを作っていきたい。
みなさんの施設ではどんなスクリーニングを行っていますか?
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