[解説]
高度の栄養不良患者に対して、積極的な栄養療法(短期間に大量の栄養投与を行うなど)を行った場合におこる
・低リン血症
・低カリウム血症
・低マグネシウム血症
を主体とする重篤な代謝合併症の総称。
静脈栄養施行に関連して発生した報告が多いが、経管栄養や経口栄養においても発生する。
[発症リスク]
●慢性の低栄養(マラスムス)
・遷延する絶食または低カロリーの食事
・吸収不良症候群(炎症性腸疾患、慢性膵炎など)
・加齢に伴う経口摂取不足
●急性の低栄養(クワシオルコル)
・7日以上の栄養管理を受けていない高度侵襲患者
・術後患者
・病的肥満に対する急激な減量・肥満手術
●神経性食思不振症
●がん患者
●大量の常習飲酒者、アルコール依存症
●コントロール不良の糖尿病
●独居老人
●Mg、AIを含む制酸剤の長期投与
●利尿剤の長期投与
●ハンガーストライキ など
[高リスク患者判定基準]
●下記を1つ以上満たす患者
・BMI:16.0kg/m2未満
・過去3〜6ヶ月で15%以上の意図しない体重減少
・10日間以上の絶食または摂取量極わずか
・栄養投与前の血清K、P、Mgのいずれかが低値
●下記を2つ以上満たす患者
・BMI:18.5kg/m2未満
・過去3〜6ヶ月で10%以上の意図しない体重減少
・5日間以上の絶食または摂取量極わずか
・アルコール依存の既往またはインスリン、
抗がん剤、制酸剤、利尿剤の使用歴がある
(英国NICE診療ガイドラインより引用)
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