[徹底解説]MNA-SF/急性期病院における栄養スクリーニングの実際

栄養管理

当院では入院される全患者に対して、「MNA-SF」を使用し栄養スクリーニングを実施しています。

ちなみについ最近開始したばかりで、それまでは当院独自の、なんの根拠もないスクリーニングを行っていました。
さすがにこのままではいかん!ということで、課内でも何度も話し合い、いろんな部署に声をかけて整備しました…。

始まるのに1年かかりましたが、やっとゴールドスタンダードな栄養スクリーニングをウチでもやってます!と胸を張って言えるようになりました。

MNA−SFは欧州の専門家により開発された,高齢者に特化した栄養スクリーニングツールです.
MNAを実施できればいいのですが、他にもやることがあるのでそればかりに時間をかけるわけにはいきません。
より簡便に、短時間で行えるように、SFを採用しました。

下記の6項目から構成され,各0~2点または3点の範囲で採点します。

[MNA−SF]
A.食事摂取量の変化
B.体重変化
C.移動能力
D.ストレス
E.精神心理学的問題
F.BMI(もしくは下腿周囲長)

合計点数によりのいずれに該当するかを判定します.
・0−7点:低栄養
・8−11点:低栄養のおそれあり
・12-14点:栄養状態良好

当院は急性期病院なので入院した時点で体重が不明な場合も多く、下腿周囲長を用いて判定できる点もグッドです。
Bについても、自分の体重ならまだしも入院する(特に受け答えできない)患者の体重推移を把握している家族なんてほとんどいません。
選択肢に「わからない」があるのも採用のポイントです。

なおA〜Fの項目を一からすべて管理栄養士が調査するわけではありません。
入院する際に患者のさまざまな情報を看護師が聞き取りしており、その情報をMNA-SFにも活用させていただいています。

A〜Eについてはもともと聞き取り項目にありました。
AとBについては質問の内容と、選択肢をMNA-SFに寄せることで二度手間にならずスピーディにスクリーニングを実施することができます。
課内で決めた基準に沿って評価していけば、誰でも簡単に評価が可能です。
整備にご協力いただき感謝感謝ですね♪

なお当院では0−7点:低栄養の判定になった時点で、NST対象となります。
MNA-SFを開始してからNST対象も爆増しています…が、実際は入院後食事を全量食べられていたり、栄養状態も問題ないじゃんという患者も多くてまだまだ整備が必要なのかもしれないと思っています。

少し続けてみて、そのうち全体的な評価や基準の見直しをしていく予定です。

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