脳動脈瘤の再破裂を防げ!くも膜下出血直後の暗室管理について徹底解説。

栄養管理

救急病棟でたまに出会うくも膜下出血直後の「暗室管理」の患者さん。
どんな目的で行っているか気になっている方も多いのではないでしょうか?

ひーたろ
ひーたろ

今回はその「暗室管理」について解説していきます。

「暗室管理」の意図とは

結論から言うと、くも膜下出血直後の患者さんが手術を行うまで待機する際に、動脈瘤の再破裂がないように血圧を安定させるという意図があります。

暗室管理は交感神経を刺激させないため

くも膜下出血直後の患者さんへの対応は厳重です。
暗室管理にしたりモニター音を消したりと、交感神経を刺激しないための環境づくりが必要です。

交感神経を刺激してはいけない理由

くも膜下出血直後、破裂した場所はフィブリンによって一度止血することがあります。
強い頭痛を感じたけれど、その後も意識レベルは低下せず来院できる患者さんはこの状態が多いです。

ただ破裂箇所が完全に治っているわけではもちろんないので、環境によっては強い圧力がかかり、再破裂する危険性があります。

再破裂すると大量の血液がくも膜下腔に広がることで頭蓋内圧亢進が起き、意識レベルの低下だけでなく生命やADLの予後も急速に悪化するので予防することが重要です。

当院でも血管内手術(動脈瘤コイル塞栓術)を緊急で実施することが多く感じますが、手術まで待機することももちろんあります。

待機中は動脈瘤の再破裂を起こさないためにも、交感神経を刺激しないようする必要があります。

暗室管理以外の刺激軽減方法

血圧を安定させるために鎮痛・鎮静・降圧療法を実施するのはもちろんですが、
とにかく刺激にならないように下記のような方法で刺激を軽減する必要があります。

  • 部屋は暗くして(暗室管理)、光が入らないようにする
  • ペンライトで瞳孔を見るときの明るさや、頻度にも注意
  • 音も最小限にする必要があるので、モニター音を消したり、パーテーションで区切る
  • スタッフの足音等にも注意

まとめ

暗室管理について簡単に説明してきましたが、なんとなくイメージすることができたでしょうか。
暗室管理含めどれもこれもくも膜下出血直後の患者さんの交感神経を刺激しないための工夫なのです。

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